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陽山亭の合掌造り民家は、埼玉県で唯一の合掌造り・ 建築資料であり、また重要文化財級の建物であります。

この家は資材を全て飛騨白川郷にて調達され、 現地の職人さんたちにより造られています。白川郷より移築するのに運搬・工事含め、およ そ一年半ほどかかりました。

一階の「おえ」と称する間には豪農の家で使われていた自在鈎をつるし、杉の大木を輪切りにして囲炉裏としてあります。これを五個配置 し、一個の囲炉裏で七・八名は坐れます。ここでは囲炉裏焼き・鍋物など、炭火でじっくりと 味と雰囲気を楽しめます。

「でえ」と称する客間には欅(ケヤキ)で造られた囲炉裏が三個配置され、やはり自在鈎がつられております。一個四・五名ずつ坐れます。

家の中央に位置する寝室、「ちょうだ」はその昔 、中二階が造られ生娘を外敵より守りました。
ここを加賀藩と名付け自在鈎と囲炉裏を配 置し、商談・会合・小宴会など十名位でご利用いただけます。

「おくのちょうだ」には床の間があり、家長にふさわしい部屋です。一般の神棚は床の間の変じたものともいわれています。ここは帰雲城と名付け、やはり十名位の宴会などに向いております。自在鈎はありませんが、眺望の好い部屋です。

その他、「どじ」玄関。「しゃーし」取り次ぎの 間。「だいどこ」家族の食事場・居間。
「みんじゃ」みずやともいい、勝手場。かっては川から引いた水が蕩々と流れていました。
「うすなわ」作業場。「せんちゃ」トイレのことで本来は外にある。また、合掌造りの内部は四階になっています が、上から「そらあま・なかあま・みたあま」といいます。


おえ・大広間
でえ・五箇山
ちょうだ・加賀藩
おくのちょうだ・帰雲城

合掌造り民家・間取り図

昔、二階は養蚕に使っており、人がちょっと屈んで歩く高さでした。これを一尺程かさ上げして、ふつうに歩けるように改修してあります。

七十畳の大広間は、「奥武蔵画廊」と名付けたギャラリーとなっており、ペーパーレリーフ作家・伊藤 亘 氏の作品が常設展示品となっています。また、この階には間口八米のステージがあり、ちょっとしたミニコンサートにもご利用いただけます。

三階・四階は吹き抜けに改修し、古民具の展示 場になっております。地元有志の方々のご協力によりまして、鎧・農具・民具・機織り機な どが、数十点あまり昔のままに陳列されております。

また、吹き抜けになっておりますので、アラナワやネソで締めている茅屋根の内側や、合掌造り民家のほぼ正三角形の茅葺き屋根の構造がよくご理解いただけると思います。


二階・奥武蔵画廊
三階・古民具展示場
古民具